JPNFA第11期定期勉強会 アドバンス第1回(東京会場)

 松戸整形外科で開催されているJPNFAのコースに参加した。今回学んだことは、脊柱の伸展を促通する上で、頭頸部からアプローチする方法、足部からアプローチする方法、そして実際の動作の前の準備として立位などで筋の活動を促す方法である。

 具体的には、胸腰椎の伸展を促したい場合に、そこから直接アプローチが難しい場合が多く、その時は頸部の屈伸運動を使うことで、胸腰椎の筋活動を促通できる可能性がある。また、足部をしっかり作ることで、ブリッジ動作などを通じて胸腰椎の伸展を促せる可能性がある。さらには、サッカーの蹴る動作や投げる動作の準備として、立位で体幹の筋活動を促通することの重要性を学んだ。

第15回人工呼吸器セミナーin 横浜(2017.2.19)

 内容は呼吸のメカニクス、最新のエビデンスと今後の動向、早期離床について、および人工呼吸器グラフィックモニターの見方であった。個人的にはグラフィックモニターの見方が非常に面白かった。

 普段対象とする患者さんの中には呼吸パターンが崩れている患者がいる。理学療法の対象である症例もいれば、呼吸器の同調性が悪いことが問題の場合もある。これをすべて理学療法で解決するのは困難である。そのため、理学療法士であっても呼吸器の同調性をフィジカルアセスメントとともに解釈する能力が必要であると感じた。すべての理学療法士に必要なスキルではないが、内部障害を専門とする理学療法士には必須の内容と思われた。私は呼吸ケアサポートチームのメンバーなので、来年度はグラフィックモニターがみれることを個人的な目標としたい。

第5回症例報告会 運動器疾患のリハビリテーション(2017.3.26)

 今回から県西地区リハビリテーション連絡協議会主催で症例報告会を開催した。まず今回は講義として北里大学の渡邊裕之先生に講義をして頂いた。渡邊先生には、下肢の運動機能に関して、現在考えていること、エビデンス、まだわかっていないことなどトピックや研究の結果を踏まえて教えて頂き非常に勉強になったし、同時に臨床に対する考え方を再認識する機会となった。臨床家としては結果がでればそれでいいわけだが、どうして結果が出るかがはっきりわかっていないことも多い(筋トレの効果など)のだということも印象的だった。また、症例報告に関しては臨床10年目未満のスタッフが発表をした。特に竹田整形外科の出淵君の発表は素晴らしく、今後の研究につながる可能性も示してくれた。きっと竹田整形外科の日ごろの臨床の取り組みを反映しているものと思った。市立病院も負けずに頑張らないといけないと思った。

FCCS 4月浦安コース(2017.4.15-16)

FCCSコースは、米国集中治療医学会(SCCM:Society of Critical Care Medicine)が行っているoff the job training course の一つで、主に集中治療を専門としない医療従事者の方々を対象に、講義とSkill Stationからなる2日間のコースです。今回は90%が医師、看護師3-4名、理学療法士1名という感じでした。正直かなりレベルが高くてついていくのがやっとでした。ただ、集中治療領域で働く上では重要な知識をたくさん学べるので、集中治療室専従のセラピストにはとてもいいコースだと思いました。呼吸器に関してもかなり勉強できます。skill stationではAC VC, AC PC, SIMV VC, PSVの順に症例を通じて呼吸器の設定をしました。酸素化の規定因子はFiO2とPEEP、PEEPは5以上、FiO2は1.0からスタートして可及的に0.6まで下げること、換気は呼吸回数×一回換気量に規定されており、換気量は通常8ml/kg以下、ARDSでは6ml/kg以下が目安であり、CO2をみながら調整する(場合によってはPhは7.2くらいまでは許容する)のがルールであった。後はプラトー圧が30、Auto PEEPが入らないことが守らなければいけないルールであった。ちなみに呼吸回数が増えたり、吸気時間が長くなるとAuto PEEPがかかることも理解できた。このコースをもとに当院での勉強会を検討したい。まずは座学でモードについて、守らなければいけないルールについて、紙面上での設定の調整を考えるようなことをしたい。次に座学ではNPPVの体験と捜査、ならびにIPPVの設定についてやりたい。特にIPPVではテスト肺を用いて、コンプライアンスや気道抵抗をあげて反応をみることも面白い。気道内圧が上昇したときに、気道抵抗なのか肺のコンプライアンスが問題かを見分けるために吸気ポーズを用いてプラトー圧を利用すること、Auto PEEPの有無をみるのにグラフィックや呼気ポーズで評価することなどが参考になった。今年は2コマで人工呼吸器についてみんなで学ぶ機会を設けようと思っている。NPPVはCPAPとS/Tを試してみるといいと思った。

JBITA主催 イントロダクトリーモジュール1 2017.5.13-14, 東京

 ボバースのコースは様々なインストラクターから講義を受けれるので、毎回ちょっとずつ違う内容で何度聞いても損はしない。今回は坐位から立位、立位から坐位の正常動作分析を行い、ハンドリングも経験した。インストラクターの先生は「答えを言ってもなんにもならないから、自分で考えてみること」と何度もおっしゃっていた。引き出しが少ないと答えに到達せずに悩んでしまうことがあるが、とても重要なことだと再認識した。また、受講生のやる気や観察能力の高さにいつも感心する。臨床経験は関係なく、すごい人はすごいのだ。悔しい気持ち、できない気持ちを大切にしながら、またスキルアップするために精進しないといけない。時間があれば立ち上がりについてはORNの伝達講習の企画としてやってみたいと思う。

JBITA主催 イントロダクトリーモジュール2 2017.6.10-11 東京

今回は急性期が主なメインテーマであり、臥位、寝返り、起き上がり、端坐位の姿勢・動作分析と治療がメインであった。講義はインストラクターの先生の熱い思いが聞けてとても感銘を受けた。ボバースのコースは姿勢・動作分析についてはもっともためになると思っている。これほど長い時間をかけて、姿勢・動作分析を行う講習会は他にないと思う。また、自分が被験者となって体感できることが非常に素晴らしいと思っている。症例報告では、アライメント、運動パターン、神経筋活動について評価し、治療を実践する場面があった。普段の臨床でこれらを十分に解釈できていないことも痛感した。特に感じるのが、運動のパターンの理解が自分にかけていると思う。例えば「動作全般を通じて腰椎は前彎が強く、固定的になっている」など他の参加者は全体像の把握が自分より優れていた。これからはアライメント、運動パターン、神経筋活動について常に考えながら治療にあたりたいと感じた。また、「右下肢を伸展でロックしている」背景として、コアや股関節の筋活動の不足、足部からの感覚情報の不足、など掘り下げて考えていることも不足している。本当に勉強になった。

県西地区リハビリテーション連絡協議会ー内部障害の症例報告会ー2017.7.2

 今回は国際医療福祉大学小田原保健医療学部にて内部障害の症例報告会を開催させて頂きました。講師の河辺先生からは症例をもとに糖尿病のリスク管理、足病変に対する予防的治療に関する講演をして頂きました。

 河辺先生の講演では、実際の患者さんの現象や治療に対して、先行研究をうまく引用されており、我々の症例報告の目指すべき道を示して頂いたような気がしました。
 また、メインの症例報告は3演題でした。症例に関する基本的な情報から治療のアイデアまで活発な議論ができました。また、河辺先生からは今後学会発表レベルにひきあげるためのアイデアやポイントをご教授頂き、とても充実した会となりました。
 県西地区のみならず遠方から参加頂いた先生や看護師さんの参加もありました。今後も我々の活動が患者さんや地域の皆さまのために少しでも役に立てばいいなと感じました。興味のある方は是非、次回の症例報告会もご参加ください。

第23回日本心臓リハビリテーション学会 2017.7.15-16

  今回は発表のために参加しました。胸骨正中切開術後のPCFについての発表だったが、創部痛については医師の興味もあっていくつか質問がもらえたのでよかった。今年度中には論文を投稿しようと思った。

 その他、発表で興味深かったのは京都大学の肺移植後の報告であった。肺移植後は気管切開し、歩行練習なども早期に開始するとのことであった。歩行中は呼吸器ではなくバックバルブマスクで換気しているとのこと。カニューレの不安定さは必ず、そこを固定するスタッフがいるとのことであった。カニューレの刺激は不快になることが多く、今後も課題があると感じた。

 また、学会ではチーム北里のメンバーと色々話せたので貴重な時間を過ごすことができた。自分はアカデミックなところから少し離れているが、自分なりに頑張る方向性を定めて、継続していきたいと思う。

JPNFA 第12期定期勉強会 2017.7.23

  本日はJPNFAの定期勉強会に参加してきた。テーマは肩甲帯と上肢のパターンである。臨床で応用するのにたくさんのアイデアがあって、明日からの臨床が楽しみになった。年末にはORNでの伝達講習も予定している。
 他にも、色々勉強になったが、やはりPNFの哲学が素晴らしいと思う。 患者さんも、セラピストも一緒に汗をかく。当たり前だけどすごく大切だと感じた。色々な治療概念があるけど、やっぱり泥臭く、徒手で患者さんと関わることの素晴らしさみたいなものを感じれた一日だった。

JPNFA 第12期定期勉強会 2017.8.20

 本日は骨盤帯・下肢のパターンであった。PNFの定期勉強会は、実技をひたすら練習できる貴重な機会だ。

 さて、改めて最近思うことがある。私は、PNFやボバースセラピストが好きだ。PNFやボバースの考え方というより、やってる人が好きだ。その理由はなんだろうと考えてみた。
 日々、教科書や本を読むことは大切だ。だけど、技術は練習しないとみにつかない。しかし、臨床の中で、本を読んで知識をアップデートし、日々自分のスキルを磨いているセラピストがどれくらいいるだろうか?言葉でいうほど簡単なことじゃない。そして結構偏っている人がいるのも事実ではないか?勉強はしてるけどスキルの練習をしない。スキルを磨いているけど、理論的背景に弱い。そして、どちらもできなくなっている人も少なくないのではないか。
 だけど、PNFやボバースのインストラクターはやっぱり知識的にも勉強してるし、人に教えられるくらいスキルの練習をしてる。そういうとこがやっぱり好きだ。当たり前のことを当たり前のように練習する。スキルの練習は野球選手の素振りやシャドーピッチングのようなものではないかと思う。人知れずコツコツやる。でも結果は後からついてくる。
 何が言いたいかというと、どんなコンセプトをもとに臨床をやっても構わないけど、勉強して練習することは必要だ。自分もふくめて、若い人は柔軟な考えをもち、知識を深め、とにかく練習することに励んで欲しい。その先にしか、自分たちの未来はないと思う。
 自分が後どれくらい、PTとして働けるかわからないが、少なくとも、日々スキルを磨く努力はしなければいけないと思っている。それができなくなったら、臨床のPTはできないだろう。

理学療法士職域拡大セミナー(胸椎・胸郭の理学療法)2017.9.2-3. 法政大学(東京)

 マニュアルセラピーのコースに参加してきた。大きく大別すると体幹の解剖・運動学の座学、触診、胸郭由来の疼痛に対する評価と治療の流れ、胸郭出口症候群の評価と治療の流れ、呼吸障害に対するマニュアルセラピーといった内容であった。臨床で胸郭を触らない日はないので参考になった。このコースをもとに、呼吸不全の患者さんに対してフィジカルアセスメントと治療的介入についてORNでも勉強会をできればと思った。

関東甲信越ブロック理学療法士学会 長野 2017.9.23-24

 今回は当院から3演題、竹田整形外科クリニックから2演題の発表があり長野まで赴いた。当院の発表では、中村さんが脳卒中のデータを発表し、数施設からコメントを頂くとともに、色々ディスカッションできたことが良かった。これを機に臨床研究の大切さ、仲間ができることの喜び?みたいなものを感じてもらえたらと思う。佐藤さんは小児に対する装具療法の発表であった。佐藤さんのプレゼンテーションも非常に分かりやすく、聴講者の興味もあったようで、発表が終わった後も質問がたえなかった。技師長が発表している施設は少ないので、とてもよいことだと思った。小澤個人の発表は、色々反省があるが、ポスター発表の難しさや、メリットなど色々感じた学会だった。

 竹田整形の発表は梅田さんの発表しか聞けなかったが、非常にわかりやすく、まわりの興味もひいていたと思う。臨床的にも仙腸関節の安定性をいかに触知するか?非常に重要なテーマだと感じた。

 さて、学会の過ごし方とはなんだろうか?ひとつは発表、ひとつは旅行、それくらいに考えている。但し、最近は別の思いがでてきた。学会でしか聞けないこと、シンポジウムや発表、これを時間があれば聞くべきだろうと思う。教育講演とかはたしかに必要だが、本来の学会の趣旨ではないと思っている。特にシンポジウムなんて、聞いても明日の臨床に直接いきることなんて非常に少ないことが多い。でも、そんなことが意外に重要だったりする。

 まとめると、学会に行くときはまず発表をするべきだと思う。そして、その土地の観光をしっかりするべきである。最後に余裕があれば、シンポジウムや興味ある発表を聞いて帰るのが一番いいのではないかと思っている。

JPNFA 第12期定期勉強会 2017.10.15

  本日はマット動作と歩行のPNFということで実技を練習してきた。立位や歩行についてボバースでは骨盤のtilitingという言葉を使っているが、PNFでも骨盤が後傾方向に動くことを重要視している。つまり、腹筋の活動があって、そこから臀部筋や大腿四頭筋の収縮がつながっていくイメージだと思う。マット動作や立位でのファシリテーションのテクニックは常に磨いていく必要がありとても勉強になった。来年度は市川先生のベーシックコースと、千葉の定期勉強会には引き続き参加したいと思っている。

第7回症例報告会(中枢)2017.12.3

  今回は第7回の症例報告会でした。昨年度の脳卒中の症例報告会で大村先生と意気投合し、早くも一年が経ちました。時はあっという間で、今回は大村先生が司会・進行をして下さり、当時は想像もできなかったことが現実となっていることに、とても感慨深いものがありました。我々の活動の中でも、大村先生と出会えたことは大きなターニングポイントとなったと思います。

 さて、右田正澄先生の講義は、普段装具に触れる機会が少ない私にも分かりやすく、大変勉強になりました。これを機に小田原市立病院では装具療法に関するアンケート調査をさっそく開始し、近隣の施設と装具に関する連携を深めていきたいと思います。

 症例報告については、若手のスタッフが発表してくれ、大いに会場が盛り上がりました。1演題30分以上の質疑応答があり、通常の学会では経験できない時間を過ごすことができました。私も脳卒中に関して初めての症例報告の機会を頂き、PT11年目にして、初めてスタートラインに立てたような気持ちになりました。

 これからもやる気のある人にどんどん発表やディスカッションに加わって頂ける症例報告会を継続していきたいと強く思いました。次回の運動器の症例報告会も、皆さまと熱く討論できることを目標に、日々の臨床でスキルアップを目指していきたいと思います。毎回成長した自分でいられるように、皆さんに負けずに頑張りたいと思えた一日でした。

 

第 93 回理学療法科学学会 2018.1.7

 今回はARCR後の当院の報告をさせて頂いた。大石先生に指導して頂き、発表までの時間は非常によい経験をさせて頂いた。と同時に、肩関節疾患の患者さんを1年以上みていないと寂しくも感じた。大山くんを中心に、当院からやっぱり臨床的なデータを発表していきたい。技術が優れたPTは世の中にいっぱいいるけど、技術と理論をしっかり持ったPTの集団でありたい。そのためには、どうしても臨床研究をもとにした理論の構築が必要と思っている。来年からは少し自分も運動器みれるかなと期待している。

 さて、がんの三次予防って初めて知った。まずがんにならないようにすること(禁煙など)が一次予防。早期発見し、治療することを二次予防、再発を防ぐことを三次予防というらしい。心疾患の場合は二次予防というのが三次予防を意味しているので、若干枠組みが違う。そして、この三次予防(再発予防)に対して運動療法の効果があるとのことである。運動しているとがんの発生率が低くなる。それはがんの再発に対する患者の不安を軽減させられることにつながるとのこと。非常に勉強になった。

第45回日本集中治療医学会学術集会 2018.2.23

 今回は早期離床の安全性に関する研究報告をしてきた。質問も3個ほどもらえて、なかなか雰囲気がよかった。ポスターだったが、写真をとったり、参考にしてくれている人もいて学会としての成熟度を感じた。

 来年度は集中治療領域は2つの研究を考えている。ひとつはmRSに基づく、リハビリテーションの適応や効果に関する研究。もうひとつは、エコーを用いた下肢の筋委縮に関する調査である。忙しいのでデザインを作るのが大変だが、少しずつ初めて形にしていきたい。まずは論文検索からはじめていきたいと思う。

第8回症例報告会(運動器)2018.3.11

 今回は金先生の明言を胸に残しておきたい。「運動の専門家なんだから、運動のことを考えて当たり前」、「目でみえないものを、目でみえるものから推測する」。これは非常に心に残った。

 若い世代に伝えたいこと。それは臨床、教育、そして研究はやって当たり前。わからないことを誰かに頼るのではなく、自分で解明しようとすることの大切さである。ついつい、わからないことがあると、勉強会や教科書に頼ってしまう。もちろんそれはそれで大切なわけだけど、答えがみつからなかった場合、もしくは患者さんを教科書にあてはめてしまうケースがないだろうか?そんなときは自分を振り返り、自分で研究してみてはどうだろうか?金先生の姿勢にとても感銘を受けた。自分も理学療法士でありたいと思った。

第35回神奈川県理学療法士学会

 今回は発表、座長、サークル助成の活動報告のために学会に参加した。座長をやってみて勉強になったことがある。発表者は何を求めて発表するのだろうか?発表を通じて何かを得たいのだろうか?自分も含めて改めて疑問をもってしまった。

 上司に発表するように指導された人。なんとなく業績をあげたい人。純粋に探求心をもっている人。そんな人たちのニーズを理解し、適切な質問を行うことは座長の使命だと思うが結構難しい。

 また、研究の質を考えると、県の学会でそこまで研究デザインの細かいとこなどは考える必要がない気もする。発表者もすべての手の内をみせているわけでもない。

 我々がやっている症例報告会の司会に比べて、慣れないせいもあり、反省点が多かった。もっと研究のこと、臨床のこと、勉強しないと座長はつとまらないと痛感した。

 あとは昭和大学病院のPTは質問の内容を聞いてても、すごいなと思った。臨床的な感性に、研究的な思考もあわせもっている。小田原はまだまだ遅れているのかなとも思った。

【追記】

 はじめて学会の託児所?を利用させて頂いた。今回は東急ホテルの託児所を無料で利用可能であった。子連れで学会に参加し、そのあとアンパンマンミュージアムで子供を遊ばせることができた。学会に参加し、家族サービスもできる。学会の新しい参加の方法を体験できてよかった。来年も託児所使ってみようと思った。

IPNFA level 1(2018.5.28-6.1)、東京

 市川繁之先生のIPNFAのコースに参加した。市川先生は松井秀喜や野茂英雄を担当した著名な先生である。PNFの概念は非常に素晴らしい。筋肉を司る脳に対してアプローチするという考え方は今までの自分の治療の中で、考えていなかった発想だった。筋が短縮していること、可動性が少ないこと、それらは単純に末梢にある骨格筋や靭帯などの構造的な変化だけでなく、それを司る脳がコントロールしている要素が少なからずあるということだ。市川先生がおっしゃっていたことで非常に心に残ったことがある。運動はpassive、active、resistive、自律的に進めるとのことであった。そして、脳にとってはただのpassiveはあり得ないとおっしゃっていた。みためはpassiveでも脳はpassiveに動かされていることを認識しているということだ。だから、筋を伸長する上で、筋の遠心性収縮を使うことは非常に重要だし、それが難しくても伸張されたり、動いていることを認識させることは非常に重要であると考えられる。PNFの素晴らしいところは他にもあるが、PNFは様々な疾患に適応させてきた背景があり、広範囲に適応となる武器になると思った。PNFが誰でも使える手技でないことは、やっぱり難しいからだと思う。しかし市川先生はPNFが難しいのではなく、ヒトの身体が複雑だからとおっしゃっていた。また、PNFやボバースは宗教であるとおっしゃっていた。手技療法が生き残るためには宗教的な要素が必要であると。市川先生はクラインやボバース、徒手療法など様々な手技を経験し現在に至っている。そして、ヒトの身体の学問だから、結局は同じことを考えていて、野球で言えば上手投げと横手投げの違いのようなものだとおっしゃっていた。これは非常に興味深かった。上手投げを一生懸命やっている人にとっては、横手投げの人は邪道にみえる。でも、結局は球を投げてストライクをとることは一緒である。何がいいたいかというと、PNF、ボバース、クライン、徒手療法、すべてはヒトの身体の宗教であり、共通することが多いのである。だから、自分で共通点をみつけること、さらに手技を自分の技術にすること、それは我々技術職にとって普遍の課題であると思う。うちの4ヶ月の子供をみていて思うが、寝返りするために何回も練習をしている。PTは働き始めたら、こんなにスキルを練習する機会はあるだろうか?自分たちの日々の仕事の仕方を見つめなおさないといけない。

第9回症例報告会 2018.6.17

  今回は齊藤正和先生を招待し、講演をお願いした。私自身齊藤先生のドイツでの業績など詳しく知らなかったことも多くあり、改めてアクティビティーの高さを感じた。前日に色々踏み込んだ話をさせてもらったが、教育や人材?人財育成について考える機会になった。皆さんはどう感じたのだろうか?齊藤先生と榊原で働き始めたのが、私がPT5年目、齊藤先生が10年目だった。気づけばあれから5年。どんどん雲の上の存在になっていってしまうと思うと、それだけ活動度の差があるのだと思う。何を人生の優先度とするか、結局はそういうところなんだと思う。自分は何が大切なのだろうか?研究をすることは何のため?自分のため、社会のため?正直よくわからない。だけど、そこに臨床的な疑問があれば、解決する手段は研究しかないのだと思う。研究というのは学会発表とかではなく、自分の生き方を研究するというか、そんな意味合いもあるのかと思っている。

 症例報告については、私自身の反省も多かった。今回は生活期をテーマにしたこともあるが、抽象的なテーマになってしまったかもしれない。池上先生の話を聞いて、やはりリハビリテーションマインドということの重要性を感じた。齊藤先生も学習のマインドを研究のための基本姿勢とおっしゃっていた。生活期で長い期間にわたって患者さんと関わること、リハビリテーションの本質だと感じた。

 さて、今回の症例報告会を通じて、来年度は内部障害の症例報告会については一度見直しが必要かと思っている。はっきりいって、内部障害そのもののニーズは少ないと思うが、齊藤先生の講義も踏まえて考えると、地域に内部障害の知識を伝えることは我々の役目なのかもしれない。回復期や訪問の領域で内部障害をどうリスクマネージメントするか?そんなテーマでもよいのかもしれない。症例報告はどうだろう、、、、、内部障害の症例報告を聞きたい人がいるのだろうか?来年はどうするか?この症例報告会も10回を迎えようとしており、本来の目的や方向性、一度見つめなおす必要があるのだろう。生活期も小田原近隣から症例が集まらない状況を考えると、まだまだ厳しいと思わざるを得ない。臨床を一生懸命やっている人がいると思うので、そういう人たちが声を出して、意見を言えるような風通しのよいリハビリテーション連絡協議会であるべきなのかもしれない。

IPNFA level 2(2018.5.26-29)

 今回勉強して印象に残ったのは、タイミング、強化、パターンの組み合わせ、そして評価と治療の流れである。タイミングはパターンの中で使っていくが、パターンを使えると治療の選択肢が増える。強化はイラディエーションなどを使っていくが、ここでも相反性のパターンとかが使えるとファシリテーションがしやすくなる。また、パターンの組み合わせは、固定点を作り、mobilityを出していくことで無限大のバリエーションがある。それぞれ運動の原則を常に意識することが重要だ。評価、治療については、ICFのフレームワークをしっかり、やっていることがPNFの素晴らしいところである。患者さんの治療では、とてもわかりやすいし、非常に実践的である。私はこれから、level5まで、3年くらいかけて、進んでいくことになると思う。少しでも、小田原でPNFの概念が伝わればいいかなと思う。さて、最近は色々な手技療法があるようだ。BINI、Spine Dynamics療法などのコースがあるようだ。みんな知ってるのかな?色々な考え方があっていいと思うが、ICFのフレームワークを守っていくことが最も重要だと思う。我々がやっているのは、人の身体に関する学問なのだから、根源は一緒ということだ。実は、PNFはオフィシャルな雑誌のステートメントでも、推奨されるほど、誰もが聴いたことがある概念だけど、実際にはPNFの概念ってすごく奥深いし、あまり知られていない。今度の勉強会で少しでも紹介できればと思っている。

IPNFA level 3 ( 2019.6.11-6.15)

今回は非常に大変だった。というのも一番経験年数が多いのに一番できない受講者だったからだ。まず、PNFの実践がこの1年でほとんどできていなかったことに気づいた。ひとつのポジションで複数の箇所に影響を与えること、またテクニックを意識して使うことがほとんどできていないことに気づいた。なので、5日間は家族のもとを離れてとにかく勉強した。今回のコースでPNFのコンセプトを深く考えるきっかけになったので、後は普段の臨床場面で使いながら、自分の経験値をあげていきたい。色々勉強すべきことはあるが、まずは普段の臨床から一歩ずつやるしかない。